催し物 報告  


 

   


イラン−日本合同セミナー 
  



ペルシャの薬草とサフラン


  在京イラン大使
  Dr. Seyed Abbas ARAGHCHI


 2008年10月10日,在京イラン大使館において,イラン大使館と千葉大学主催の「ペルシャの薬草とサフラン」合同セミナーが開催されました.本センターでは昨年度より「健康資源としてのペルシャの薬草」をテーマに掲げ研究活動を行っており,これまでに2度の学術調査およびシンポジウムをイラン・イスラム共和国で行っています.その中で,イラン北部のダマヴァンド山麓界隈に自生する植物の大半が薬用資源として利用できる可能性がわかってきました.現在,日本国内で医療用として流通している漢方製薬および健康食材の9割は輸入品であり,その8割は中国に依存しています.しかしながら,様々な理由により今後中国からの生薬原料等の輸入継続が危ぶまれています.生薬原料の安定確保のためには,国内での生産化を促進すると共に,一国に頼る輸入の現状を改善し,複数国からの輸入に切り替える必要があり,その上でイランの保有する優れた薬用資源について研究を進めることは大変有意義なことであると考えます.


   千葉大学齋藤学長

 セミナーには当初の予定を上回る150名の参加者が集い,補助席が会場の通路までを埋め尽くす盛況ぶりでした.Dr. Seyed Abbas ARAGHCHI:在京イラン大使そして齊藤 康:千葉大学学長による開会の挨拶にて幕を開け,続いて2件の基調講演と6件の講演が行われました.千葉大学からは本センター 池上文雄教授が「ペルシャ伝統薬草の現地調査を踏まえた今後の展望」について基調講演を,また融合科学研究科 安藤昭一教授が「イランと日本によるペルシャ薬用植物資源の研究と開発」について講演を行いました.講演および質疑応答は大変活気のあるもので予定終了時刻を1時間ほどオーバーし,両国の健康資源の現状と将来について学術研究および産業・貿易振興の両面から熱い意見交換が行われました.講演の合間のコーヒーブレークでは,サフランを使ったお茶や菓子が振る舞われ,参加者達はリラックスしながら意見交換および交流を楽しみました.


千葉大学・池上教授講演

企業展示

千葉大学・安藤教授講演

セミナー講演メンバー

サフラン菓子

質疑応答

 

セミナー終了後は場所を大使公邸に移し,本場のイラン料理に舌鼓を打ちながら,レセプションおよび交流会を行いました.会場には様々な業種の参加者が集い,セミナー会場で交わしきれなかった意見交換が参加者の間で活発に行われたほか,イランの企業による展示会では多数の参加者がイラン側の企業担当者の説明に耳を傾け,製品を実際に手に取り,サフランをはじめとする薬用植物の多岐にわたる優れた効能や製品のクオリティの高さに大きな興味を示していました.
 今年度より州立マシュハド医科大学との部局間学術交流協定も締結し,これまで以上に研究活動が活発化する見込みです.今後の活動にご期待下さい.(文責 兼田)










    交流会の様子
  
      イラン料理に舌鼓をうちました