漢方薬のお話

漢方薬の種類

漢方薬

煎じ薬は、植物や動物、鉱物などの天然物を乾燥など簡単に加工した「生薬」からできており、生薬の組み合わせは長い経験の中から生み出されたものです。「漢方」というように、中国から伝わったもののほか、日本人に合わせて作られた漢方薬もあります。煎じ薬は、患者様の体質に合わせ、加減ができるのが特徴です。

漢方エキス製剤は、煎じた液を乾燥して製剤化したものです。エキス製剤は品質が一定しており、治療効果と安全性の優れたものを選択しています。
粉薬が主流で、外出先にも携帯でき、服用も容易です。

煎じ薬の必要性

漢方薬

自由診療では、高品質の生薬を用いた煎じ薬による治療をご提供することが可能です。

生薬は天然資源であるため、その品質や価格は様々な影響を受けます。特に近年は、主輸入国である中国での生薬需要の増加、人件費の高騰などにより、日本での市場価格がこの4年で1.4倍に跳ね上がりました(日本漢方生薬製剤協会調べ、2011)。

そのため、現状では、保険診療のしくみの中で、高品質の生薬を提供することが難しくなってきています。

当診療所では、治療効果を重要視し、安全性と品質の優れた生薬を揃えております。

生薬メーカー、医師、薬剤師、患者様の相互理解により煎じ薬による治療が成り立っています。
このことは、生薬の安全性の向上や安定供給(新たな調達先の確保、国内栽培化の促進など)への取り組みに結びつき、将来的に患者様へ還元できるものと考えております。

煎じ薬による治療継続に対し、ご理解いただければ幸いです。

自由診療により良質な漢方薬をご提供します

 千葉大学柏の葉診療所は2004年に漢方診療を開始致しました。東葛地域(野田市、流山市、柏市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、市川市、船橋市、浦安市)や、つくばエクスプレス沿線にお住まいの方々を中心に、広く千葉県下や国内から当診療所までお越し頂き、幅広い年齢層の方々に漢方による体調の改善を実感して頂いておりますことを幸いに存じております。

 現在、私ども千葉大学柏の葉診療所東洋医学センターでは、自由診療の体制で、本格的な漢方診療を行っております。自由診療の体制をとった理由につきまして、ご説明申し上げます。

  1. より高い薬効が期待できる良質な生薬を用いた漢方薬による診療
  2. 現代医学では未だ対応が不十分な疾患に対する自由度の高いオーダーメード治療
  3. 東洋医学的診察や調剤など専門性の高い技法の正当な評価

 漢方薬に用いる生薬は天然物であり、その多くは中国から輸入されています。しかし近年、中国における生薬需要の増加、人件費の高騰、為替変動などにより、生薬の市場価格が上昇しております。原料費の高騰は企業努力だけでは補えない状況にあり、良質な生薬を保険診療の薬価でご提供することが難しくなってきています。資源的な観点から見ると、安価なものに頼り続けると良質な生薬は育成されなくなり、良い種苗や栽培技術が世界から失われる危険があります。診療所では、患者様に良質な生薬をご提供するとともに、良質な生薬の安定供給のための一助となるよう取り組んでいきたいと考えております。また、自由診療では、保険診療の範囲では処方できなかった漢方薬もご提供できるため、現代医学では未だ対応が不十分な疾患や病態に対してのアプローチが可能となり、より患者様にあったオーダーメード治療が可能になります。

 漢方診療では問診を含めた診察を丁寧に行います。舌や脈を診たり、お腹の緊張度や圧痛などを診たりします。また、「医食(薬食)同源」というように、食事や生活習慣に関するアドバイスが必要なこともよくあります。しかし、保険診療では、診察時間や内容の濃さは評価されません。また、薬局においては、処方されたお薬が患者様の体質に合っているかどうか再び検討を行い、診療所全体として治療効果と安全性の向上を目指しております。また、天然物である生薬を正確に計量・調合し煎じ薬を作り、ご説明するためにも高い知識と専門性が必要とされます。

 上記の事情を鑑み、自由診療にご理解を賜りますようお願い致します。

千葉大学柏の葉診療所長
勝野 達郎

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