概要
カーボンニュートラル2050の達成のため、多くの企業や自治体が脱炭素に向けた取り組みを推進しています。なかでも、「植物」は資源やエネルギーを投入せずとも、光合成を通して自らCO2を固定する機能を有しており、脱炭素へ向けた重要なソリューションの一つです。一方で、様々な理由から、植物の炭素固定に関する議論の中心は、森林等の木本植物であり、草本植物の炭素固定に関しては、事例が少なく、制度設計にも反映できていない状況です。
本研究グループではこれまで、屋上緑化や芝地の炭素固定効果の定量化を進めてきました。加えて、ライフサイクルアセスメントと呼ばれる手法を用いた環境負荷の定量化やN2OやCH4の土壌フラックスの定量化を通して、緑地や植物生産が温室効果ガスの吸収源として機能するかどうかを調査しています。近年の成果(詳細はこちら)では、環境負荷を考慮しても、芝地の生産圃場は、森林の約2倍程度のCO2固定能を有すること等を明らかにしました。これらの研究を継続・発展させることで、植物をつくる・育てるというこの産業の特徴を、脱炭素という価値に変換していきたいと考えています。
関連する主な業績
・https://doi.org/10.7211/jjsrt.40.20
・https://doi.org/10.7211/jjsrt.48.141
・https://doi.org/10.3390/su10072256
・https://doi.org/10.21273/JASHS03909-16
・https://doi.org/10.1016/j.jenvman.2023.118919