ありとあらゆる産業とそれを支える文化の中から、健康社会を作りあげるための資源、つまり健康資源を探し出して、それを次の社会に活かす方法論を確立すること・・・それは21世紀の新たな学術なのではないでしょうか。
 センターのひとつの翼は、園芸学部附属農場を前身とする環境園芸農場【都市環境園芸農場(千葉県柏市柏の葉)・森林環境園芸農場(群馬県沼田市)・海浜環境園芸農場(静岡県熱川市)】です。この翼に固有な1)環境・2)産物・3)営み・・・1)園芸の場という生産型緑地(参加型緑地)、2)エネルギー源である農作物と一線を画した園芸作物(果物・野菜・草花)というヒトと社会の健康源、3)それに開放感と達成感をもたらす園芸作業という癒しの軽作業・・・を健康資源と捉えて、新たな時代の都市社会に活かす方法論の確立に挑戦します。
 ただこれは、園芸植物の専門家だけではできないこと。人間の専門家の参画が必須です。医学、薬学・看護学それに教育学などからのヒトに軸足を置く研究者と、園芸学からの植物に軸足を置く研究者が集った世界初の組織、超異分野の学際集団=私たちのセンターはこうして誕生したのです。

 



 
第二代  センター長
安藤 敏夫

 心の時代・多様性の時代・・・誰にも共通な【手段】の利便性を追及する時代を引きずりながらも、人ごとに多様であるはずの【目的】を追求する時代が始まっています。
 こうした時代の受け皿であるセンターのもうひとつの翼・・・それが敷地内に開院中の柏の葉診療所【東洋医学・千葉県柏市柏の葉】です。西洋医学と対峙し、ヒトの多様性をなによりも尊重し、医食同源・心身一如など私たちの生活に根付いた東洋思想を基盤とした代替医療(補完医療)の巨人である東洋医学に、ヒトに軸足を置く研究者を集結させたのです。
 センターの研究プロジェクトとしてまず、エビデンスに基づいた園芸療法のソフトとハードの開発、健康機能植物(おいしい薬用植物・薬効のある野菜)とその生産技術の開発、環境化学物質による健康負荷の解析とその低減技術の開発などを進めています。
 環境を幅広く奥深く捉えたうえで、健康という視点から環境を整え、整えられた環境を健康増進に活かすための新たな学術=環境健康科学を空高く飛翔させ・・・健康日本の創生と、多くの課題を内蔵する都市社会の再生に資するため、私たちは千葉大学固有の学術資源となったこの両翼を羽ばたかせて参ります。

 


初代センター長挨拶  第二代センター長挨拶 第三代センター長挨拶 第四代センター長挨拶
第五代センター長挨拶
 第六代センター長挨拶